外壁の防水性を高める外壁防水工事とは 防水工事の工法と特徴

外壁は外壁塗装で防水を行うのが一般的です。
ただ、防水塗料を塗って防水性を高める外壁防水というものも存在します。
そこで、外壁防水工事の工法やベランダ防水についてご紹介します。

 

外壁は外壁塗料で防水するのが一般的

外壁表面に外壁塗料を塗ると塗膜が形成され、その塗膜が雨水が建物に侵入するのを防いでくれます。
基本的に塗料が劣化する前に外壁塗装を行っていれば家は雨から守られることになります。

しかし、より防水性を高めたい、ひび割れが気になる場合は防水性の高い塗料を使って外壁防水工事を行います。

 

外壁の劣化症状

外壁の塗膜に以下のような症状が現れると塗膜が劣化し、外壁の防水機能が低下しているサインとなります。
次にご紹介するような症状が現れたら外壁塗装を行う必要があります。

 

チョーキング現象

チョーキング現象とは外壁に触れると粉が手に付いてくる現象のことを言います。
外壁塗料を構成している樹脂が紫外線により劣化し、顔料が粉に戻って外壁が粉をふいたような状態になるのです。

チョーキング現象によってすぐに防水機能が損なわれるということはありませんが
外壁リフォームのサインとなりますので、早めに塗装を行うようにしましょう。

 

ひび割れ

ひび割れには細い髪の毛のようなヘアークラックと、0.3mm以上の構造クラックがあります。
ヘアークラックは塗膜のみにヒビが入った状態ですので、あまり慌てる心配はありません。

構造クラックは雨水が建物内部に侵入するおそれがありますので
早めにヒビの状態のチェックと外壁メンテナンスが必要です。

 

塗装の剥がれ・浮き

塗装の剥がれは剥がれたところは外壁がむき出しになっている状態ですので注意が必要です。
そこから雨水が侵入し、建物内部に水が入り込む可能性がありますので、早めに補修するようにしましょう。

また、塗装が浮いている場合、やがて剥がれ落ちてきますし
雨水が侵入しやすくなっていますので、剥がれと同様に早急な対応が必要です。

 

色あせ

色あせも塗膜劣化のサインです。

色あせは美観も損ないますので、なるべく色褪せが目立ちにくいアイボリーやベージュ
ライトグレーなどの薄い中間色の外壁を選ぶのがおすすめです。
逆に赤色系の外壁は色褪せが目立ちやすい色ですので美観を保つなら避けた方が無難です。

 

外壁防水の工法

外壁防水では「弾性塗料」というゴム製の塗料を使用します。
弾性塗料は伸縮性に優れ、ヒビ割れに強く、防水機能が高いのが特徴で
小さいヒビであれば伸縮性のある塗膜がカバーしてくれます。

弾性塗料による外壁防水工事には工法が3種類あります。

 

単層弾性塗装

単層弾性塗装は一般的な戸建て住宅でよく採用される工法です。
外壁材との密着性を高めるシーラーで下塗りをし、中塗り、上塗りは弾性塗料で仕上げます。

この工法は費用を抑えることができるのがメリットです。

注意点は弾性塗料の施工の中で手抜き工事が行われやすいという点です。
悪質業者はメーカー推奨の水の量よりも多い水で薄めて施工することがあります。

手抜き工事を防ぐためにも優良業者に依頼するようにしましょう。

 

複層弾性塗装

複層弾性塗装はより防水性を高めるというメリットがあります。
シーラーで下塗りを行い、弾性塗料で中塗り2回、その後好みの色の塗料で上塗り2回と、5回塗りを行って仕上げます。

塗膜が厚くなるので防水性・耐久性が高まり、上塗り塗料の色も好みに合わせて選ぶことができます。

デメリットは工程が多くなる分費用も高くなり、一般的な戸建て住宅ではあまり採用されていません。

 

微弾性塗料塗装

防水外壁工事の中で最も施工費用が安いのが微弾性塗料塗装で
微弾性フィラーを使用し、下塗りと上塗り2回で仕上げます。

軽度のひび割れであれば微弾性フィラーで対応できますし、費用も抑えられます。
下塗りで防水対策をしますので、中塗り、上塗り塗料はお好みの塗料を選ぶことができます。

注意点は上2つの工法に比べて弾力性が長持ちしない点です。

 

ベランダ・屋上の防水工事

ベランダは屋根や外壁と同様に紫外線と雨にさらされており
雨が吹き込みやすく雨が逃げにくい構造になっています。

そのため、床面が水分で劣化し、床面耐水性が失われた状態で劣化を放置していると
防水性が低下し、雨漏りの原因となってしまいます。
したがってベランダの防水工事は外壁塗装と同様に定期的に行う必要があります。

 

ベランダの防水工事の種類

ベランダ・屋上の防水工事は主に以下の3つの方法があります。

 

ウレタン防水

ウレタン防水とは固まるとゴム状になる特殊な塗料を一定の厚みをつけて塗装する防水工事です。
液状の塗料を使用するので、複雑な形状でも施工可能となります。

ウレタン防水のメリットは費用が安いことです。
一方で、耐久年数が他の防水工事に比べて低いというデメリットがあります。
しかし、定期的な塗り替えを行えば紫外線による劣化を防ぐことができ、防水効果を維持できます。

 

FRB防水

近年ベランダなどでよく採用されているのがFRB防水です。

FRPは繊維強化プラスチックのことで、耐酸・耐候性に優れ、錆びることも腐ることもありません。

 

塩ビシート防水

塩化ビニル樹脂系のシート状の材料を張ることで防水層を作る方法です。
紫外線や熱、オゾンに対し優れた耐候性を持っています。

塩ビシートは素材が着色されているため、色を選ぶことができ、耐久性も高いため
防水層のメンテナンスに保護塗膜が原則不要となります。
そのため、維持費を抑えることが可能です。

施工には接着工法と機械的固定工法があります。

 

外壁塗装とベランダ防水工事は同時に行うのがおすすめ

外壁塗装とベランダ防水工事は同時に行うのが一般的です。

ベランダの防水工事は足場設置の必要がなく、足場のコスト面としては
同時に行わなければ損になる、ということはありませんが
外壁塗装、屋根塗装、ベランダ塗装を同時に行うことで
次回以降の塗り替え工事のタイミングを合わせることができます。

また、もう1つのメリットとして、天候により外壁塗装の作業が天候で中断したとしても
その間ベランダ工事の作業を進めておけば時間の無駄なく作業をすることができ、工期の延長を防ぐことができます。

外壁・ベランダの防水工事の際は塗装会社に相談して現地調査の上、最適な工法を選ぶようにしましょう。