外壁塗装は10年おきに塗装を行う必要があるとされていますが、実際、外壁塗装の耐用年数はどれくらいなのでしょうか。
外壁塗装は塗料により耐用年数が大きく異なり、正しく施工することで塗料の耐久性を最大限維持する事ができます。
この記事では外壁塗装の耐用年数や塗膜の劣化をセルフチェックする方法をご紹介します。
外壁塗装の寿命は10~20年程度
外壁塗装は一般的に10年程度~20年程度もつと言われています。
塗膜の寿命は塗料によって異なりますので塗料の選び方で外壁塗装の寿命はある程度コントロールすることが可能です。
外壁塗装は外壁をきれいにするだけでなく、外壁や屋根の表面を塗膜で覆うことで紫外線や雨のダメージから家を守っています。
多くの塗料には樹脂が含まれますが、樹脂は紫外線で徐々に劣化していき、やがて塗膜としての機能が切れてしまいます。
防水機能を失った状態で放置してしまうと外壁に雨水が侵入し、外壁材の劣化や雨漏りに繋がってしまうおそれがあります。
その場合、大規模な修繕が必要になる場合もありますので定期的な塗り替えが必要です。
塗料の種類別外壁塗装の耐用年数
外壁塗装の耐用年数は10年以下のものから25年程度持つものまであり、塗料を構成する材料によって幅があります。
ウレタン塗料
耐用年数:約6年程度~約8年程度
施工単価:約1,700円程度~約2,200円程度
シリコン塗料
耐用年数:約8年程度~約12年程度
施工単価:約2,300円程度~約3,000円程度
フッ素塗料
耐用年数:約12年程度~約20年程度
施工単価:約3,800円程度~約4,800円程度
光触媒塗料
耐用年数:約15年程度~約20年程度
施工単価:約4,200円程度~約5,000円程度
無機塗料
耐用年数:約20年程度~約25年程度
施工単価:約4,500円程度~約5,500円程度
外壁塗装の耐用年数は塗料のグレードで変わる
外壁塗装の塗料は塗料のグレードによって耐用年数が変わり、耐久性が高い塗料ほど施工単価も高くなる傾向にあります。
フット塗料などの上位グレードの塗料は紫外線や風雨に対する耐候性が非常に高いため、耐用年数が長くなっています。
また、同じフッ素塗料でもフッ素含有率が多いほど耐久性が高くなり、耐用年数も長くなります。
外壁塗装業者の技術によっても外壁の寿命は変わる
外壁塗装の耐用年数決めるのは塗料だけではありません。
塗装業者の技術によっても塗膜の寿命は左右されます。
そこでより耐用年数を長くするにはどのような施工が大切なのかを解説します。
塗装前の下地処理で耐用年数が変わる
外壁塗装工事では塗料を塗る前に塗装後の施工不良を防ぐために以下のような下地処理を行います。
・高圧洗浄
外壁や屋根の表面についた汚れやコケ、カビ、古い塗膜を高圧洗浄機で洗い流し、外壁全体を綺麗な状態にします。
・ケレン作業
高圧洗浄でも落とせなかった古い塗膜や鉄部の錆びなどをヘラやサンドペーパーなどで落とす作業です。
・目荒らし
表面がツルツルしている木材などの部位をヤスリなどで凹凸をつけ、塗料が定着するようにする作業です。
塩化ビニール製の雨樋や金属製の手すり、木製ドアやウッドデッキなどの木部によく行われます。
・ひび割れ補修
モルタル壁やコンクリート壁などにできた大きいひび割れをシーリング材で埋める作業です。
外壁材との相性も耐用年数を左右する
外壁材には窯業系サイディング、金属系サイディング、モルタル、ALCパネルなど、さまざまな材料があります。
同じグレードの塗料でも外壁材によって相性が異なり、相性が良いと耐用年数が長くなります。
逆に相性が悪いと数年で塗膜が剥がれたり、ひび割れが起こる可能性があります。
塗装は3度塗りが基本
外壁塗装は3度塗りが基本です。
下塗り、中塗り、上塗りという工程で行いますが、基本的には下塗り材1回と上塗り材2回の計3回で仕上げます。
各メーカーの塗料もクリヤー塗料のような2度塗りで済むタイプ以外は3度塗りを前提に開発されています。
悪徳業者の中には3度塗りの工程を省く業者もありますので、注意が必要です。
外壁塗装の劣化セルフチェック方法
外壁塗装の劣化の状態は自分でもチェックすることができます。
定期的に外壁の状態を見ておくと耐用年数だけでは分からない塗り替えのサインも分かって安心です。
チョーキング
外壁を手で触ってみて、手に粉が付いてくることがあります。
これはチョーキング現象と呼び、塗膜の劣化症状の1つで、塗料に含まれる樹脂が紫外線により破壊され、顔料が外壁上に粉となって残った状態です。
チョーキングが起こっているからといってすぐに建物に悪影響があるというわけではありませんが、塗膜の防水機能は失われていることになりますので外壁塗装の計画を始めましょう。
塗膜の剥がれ
外壁塗装の塗膜がポロポロ剥がれたり、浮いてくることがあります。
地面に剥がれた塗膜を見つけることもありますので、家の周りをお掃除する際などにチェックしておくと良いでしょう。
塗膜が剥がれた部分は外壁がむき出しになっていますので早めの補修が必要です。
部分補修または外壁塗装で補修を行いましょう。
外壁塗装の剥がれは放っておくと隙間から水が入り込んでどんどん広がっていってしまいます。
一部の剥がれだからといって甘く見ずに早めに対処するようにしましょう。
ひび割れ
ひび割れはその大きさに注意が必要です。
幅0.3mm以下の髪の毛のように細いひび割れをヘアークラックと呼びますが、これは塗膜のみにひびが入った劣化の初期症状ですので、今すぐ対応しないとどうにかなるというわけではありません。
注意したいのは幅0.3mm以上のひび割れです。
塗膜の奥にまでひびが達している可能性があり、雨水侵入リスクがありますので早めに外壁塗装を行うようにしましょう。
外壁塗装はリフォームスケジュールに入れて計画しておくと安心
外壁塗装の耐用年数や劣化のセルフチェック方法をご紹介しました。
塗装のセルフチェックをすることも大切ですが、チェックをして慌てて外壁塗装を手配するのも大変です。
外壁塗装は決して安いリフォームではありませんので事前にリフォームのスケジュールに入れておくと劣化したまま放置する心配もなく安心です。
外壁塗装の間隔は塗料のグレードによりある程度コントロールすることができますので、塗料選びの際は外壁塗装の頻度も意識して選ぶと良いでしょう。
長く信頼して付き合える外壁塗装業者を早く見つけることで定期的な外壁塗装も安心して任せることができます。