外壁塗装の色褪せが起こる原因と色褪せしやすい色・しにくい色

外壁の色褪せが目立ってくると家が古びたような印象になってしまいます。
外壁塗装の色褪せは経年劣化で避けることは困難です。

しかし、塗装の色によって色褪せには差があり
色褪せしにくい色を選ぶことによって古びた印象を避けることも可能です。

そこで、外壁塗装の色褪せが起こる原因や色褪せが起こりやすい色、起こりにくい色をご紹介します。

 

外壁に色褪せが起こる原因

外壁が色褪せる原因は経年劣化によるものです。
経年劣化により起こる現象として以下の2つが挙げられます。

 

紫外線による色素の変化

世の中の全ての物質は元素が結びついて出来上がっていますが
外壁塗料の顔料も同様に原子同士の結びつきにより構成されています。

紫外線は強いエネルギーを持っており、元素同士の結びつきよりも強いエネルギーを受けることで
元素の結びつきが破壊され、色味が変わって色褪せて見えてしまうのです。

 

化学変化による変質

もう1つの経年劣化は化学変化による顔料の変質です。

よく見られる化学変化は酸化です。
酸化により顔料が変質してしまい、色味が変わって色褪せしたように見えてしまいます。

化学変化の多くは酸素や水によって引き起こされますが、熱も化学変化を促進します。
太陽光の熱により化学変化による色褪せが起こりやすい環境になります。

 

色褪せしたら早めに外壁塗装をした方がいい

外壁に変色を起こしている場合、紫外線の影響を受け塗膜が劣化していることを示しています。
そのまま放置しているとやがてひび割れや塗膜の剥がれなど次第にダメージが大きくなっていってしまいます。

焦っていますぐに補修するほどの緊急事態ではありませんが、劣化症状がひどくなる前に一度塗装会社に相談し
外壁の塗り替えリフォームをすることをおすすめします。

 

色褪せしやすい外壁の色

基本的に原色の外壁の色は色褪せしやすい傾向にあります。
中でも特に色褪せしやすい色は以下の3色です。

 

赤色の顔料はいくつかありますが、どれも耐光性が高くなく、色褪せしやすい色です。
元々鮮やかな色ですので色褪せも目立ちやすいため、こまめな塗り替えが必要となります。

 

黄色も色褪せが早く起こる傾向がある色の1つです。
赤色と黄色を構成する顔料は窒素元素同士が多く結合しており、紫外線により切断されやすいため
他の色よりも色褪せが早く起こりやすいという特徴があります。

しかし、黄色系でも黄土色は色褪せしにくいため
原色の黄色系の外壁にしたい場合は黄土色を選ぶのがおすすめです。

 

紫色も褪色しやすいと言われている色です。
紫には赤みの強い紫と青みが強い紫がありますが、赤身の強い紫の方が褪色が早い傾向があります。

原色は景観条例の規制の対象になる可能性がありますので、あまり原色の外壁にするお宅はないかと思いますが
ご紹介した赤、黄色、紫は耐光性が低く褪色が早い色ですので注意が必要です。

 

色褪せしにくい外壁の色

逆に色褪せしにくい色は以下となりますが、色褪せ以外で注意点がありますので気を付けましょう。

 

白の顔料に使われている酸化チタンは無機顔料です。
紫外線は有機物質を破壊しますので無機物は紫外線の影響が起こりにくく
色素の結合を破壊されにくいため褪色が起こりにくい色です。

耐光性の高い白は一見おすすめのように思えますが、別の理由で外壁にはあまりおすすめではありません。

白に含まれる酸化チタンは触媒としての性質があり、光に当たるとラジカルを発生させ、外壁塗装の塗膜を破壊してしまいます。
最近ではラジカルの発生を抑えたラジカル制御型の塗料も登場してはいるものの、注意が必要です。

とはいえ、酸化チタンは発色を良くしたり、色褪せ抑制のためにさまざまな色の塗料に配合されていますので
白色のみにラジカルが発生するというわけではありません。

 

黒の顔料を構成しているカーボンブラックの炭素結合は非常に強固なものであり
紫外線に分解されにくいという特性を持っています。

黒色の塗料も白と同様、注意しておきたい点があります。
まず、黒色の顔料と光沢を出す顔料は別物で、光沢を出す材料は耐久性が高くなく
黒色の顔料そのものは耐久性が高くても光沢を出す材料が劣化してしまえば艶がなくなり色褪せて見えてしまいます。

また、黒の中でもカーボンブラックは熱のもとになる赤外線を吸収しやすく、
の色に比べて温度が上昇しやすいという特徴があります。

温度の上昇は化学変化を早める為、塗膜の劣化や色褪せを助長してしまいます。

 

青色は耐光性に優れ、元素同士の結合がこわれにくく色褪せしにくいカラーです。

 

外壁の色は淡い中間色がおすすめ

色褪せしやすい外壁の色、色褪せしにくい外壁の色をご紹介しましたが
色褪せしにくい白や黒の原色は外壁には向いていません。

そこでおすすめなのが淡い中間色の外壁です。

具体的にはベージュ、アイボリー、クリーム色、ライトグレーなどです。
これらの色は色褪せが目立ちにくく、汚れも目立ちにくいというメリットがあります。

最近ではこれらの色の濃淡を使ってツートンカラーの外壁にするなど
おしゃれな外壁の塗り分けも流行していますので、是非取り入れてみてください。

 

外壁塗装の色選びのポイント

外壁塗装の色選びは家の印象に左右しますので、希望通りの色にしたいですよね。

ところが外壁塗装は仕上がった状態を事前に見ることができないため
色選びの際にはイメージやサンプルに頼ることになり難しいのが現実です。

出来上がってからイメージとは違って見える、ということも起こり得ますので、以下のポイントを参考にしてみてください。

・サンプルはなるべく大きいものを見て決める
・イメージに近い実際の建物を見つける
・試し塗りをしてもらう
・画像など目で見て確認できるものを見つける

同じ色でも小さい面積だと濃く見え、大きい面積だと薄く見える傾向があります。
そのため、思っていたよりも白い外壁になってしまった、というのがよくある失敗として起こります。
なるべくサンプルは大きいものを取り寄せ、実際に光に当てたりして見え方を確認しましょう。

また、塗装会社によって試し塗りをしてくれる場合があります。
実際に自宅の壁に塗ってみた色を確認することができますので、試し塗りを活用してみても良いでしょう。

 

外壁に色褪せが起こったら塗り替えのサイン

外壁に色褪せや変色が起こったら塗膜が紫外線や酸化により劣化しているサインとなりますので
早めに塗り替え工事を行うようにしましょう。
また、家の美観上、色褪せが起こりにくい色の外壁塗料を選ぶことも大切です。