外壁塗装のひび割れの原因 補修の必要性・補修方法を解説

「外壁にひび割れが起こっていた」「このままにしていても大丈夫?」
と心配されている方はいらっしゃいませんか?

外壁のひび割れを放置しておくと外壁が剥がれてきたり、外壁の内部に水が浸入してしまう事もあります。
ひび割れには種類があり、ひび割れの状態によって緊急度も異なります。

そこで、外壁塗装のひび割れの原因、補修の必要性、補修方法などについて解説します。

 

外壁がひび割れる原因

外壁塗装のひび割れの原因には

・経年劣化
・施工不良
・振動
・地震
・建物の構造上の問題

が挙げられます。

 

経年劣化

外壁のひび割れで一番多い原因が経年劣化によるものです。

外壁塗装は紫外線や風雨により年月の経過と共に劣化していきます。
劣化が進んでいくとひび割れという症状として現れる事があります。

外壁塗装をしてある程度の期間が経ってからのひび割れは経年劣化によるものである可能性が高いと言えるでしょう。

 

施工不良

外壁塗装をしたときに施工不良があった場合にもひび割れが起こる事があります。

施工不良には塗料の乾燥不足や塗料の選択ミスなどが挙げられます。
外壁塗装をしてから2~3年以内にひび割れが起こったら施工不良を疑いましょう。

 

振動

大きなトラックなど、車が通過するときには振動が発生します。
道路の振動が地面を伝って住まいにも伝わり、ひび割れの原因になる事があります。

特に大きな道路の近くや線路沿いなどに建物がある場合は振動を頻繁に受ける為、ひび割れが生じやすい傾向があります。

 

地震

ひび割れは地震などの揺れによって発生する事もあります。

地震の揺れにより建物に力が加わり、モルタルやコンクリート、タイルなどの外壁材が耐え切れずにクラックを起こします。

サイディングボードのつなぎ目のコーキングが地震の揺れに耐え切れなかった場合もひび割れを発生させる事もあります。

 

建物の構造の問題

住まいの構造に問題があったり、地盤が原因でひび割れができる可能性があります。

 

外壁のひび割れの種類

外壁のひび割れには主に「構造クラック」と「ヘアークラック」があります。
修理の緊急度としては、ヘアークラックの場合はすぐに補修しなくてもとりあえずは大丈夫です。

しかし、構造クラックは早急な補修工事が必要です。

 

ヘアークラック

ヘアークラックは細い髪の毛のようなひび割れで比較的規模の小さいひびを指し、収縮クラックとも呼ばれます。

国土交通省の定義では幅0.3ミリ以下深さ4ミリ以下とされています。

発生しやすい外壁はモルタルやコンクリート、窯業系サイディングなどで、塗膜の表面だけが割れているものがほとんどです。

 

構造クラック

国土交通省の規定では幅0.3ミリ以上、深さ5ミリ以上のひび割れを「構造クラック」としています。

構造クラックと呼ばれる理由はクラックの割れ幅が大きいと、ひび割れから雨などがコンクリート内部に入り込み、中の構造体を腐食させてしまう可能性が高いためです。

特にコンクリート造の建物では中に鉄の構造体が入っており、クラックが鉄に影響を与えてしまうひび割れである事から構造クラックと呼ばれています。

 

外壁に3つ以上の劣化症状がある場合は注意が必要

クラックを見つけた時に外壁をチェックして以下の中から3つ以上の症状がある場合は注意が必要です。

・外壁を触ると手に白い粉が付着する(チョーキング現象)
・外壁の塗膜が剥がれ落ちている
・ヘアークラックよりもひび割れが大きい
・ひび割れにコケやカビが生えている
・ひび割れの周りの外壁が変色している
・ひび割れが以前よりも拡大している

上記の中から3つ以上当てはまる場合は早急な補修が必要です。

 

外壁のひび割れを放置するとどうなる

外壁のひび割れは小さなひび割れから始まる事が多く、放置しているとひび割れが大きくなり、大きなトラブルに繋がってしまう可能性があります。

 

外壁の剥がれ

ひび割れの部分はもろくなっていたり水が入り込みやすくなっており、塗膜が浮いたり剥がれやすくなります。

外壁塗装の塗膜は紫外線や雨水、汚れなどから建物を守る機能がありますが、塗膜が剥がれてしまうと外壁がむき出しになり、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。

 

外壁内部の腐食

ひび割れから雨水が入り込むとサイディングやモルタルの下地が腐食してしまいます。
最悪の場合、外壁材を取り替える大規模な工事が必要になります。

また、外壁内部や柱に水分が浸み込み湿気が溜まるとシロアリ発生リスクが高まります。

シロアリは湿気を含んだ木材を好むため、外壁内部に水が浸入してしまうと、腐食だけでは済まないトラブルに発展する可能性がありますので注意が必要です。

 

雨漏りが発生する

ひび割れが大きくなり外壁内部まで広がると雨水が入り込む量も多くなります。
はじめは室内への影響はありませんが、水を含んでいる状態が続くと室内への雨漏りに繋がる可能性があります。

 

不具合が外壁全体に広がる

外壁のひびは外壁塗装が劣化して塗膜の機能が切れているサインとなります。
ひびは一部のみに発生しているかもしれませんが、建物全体の外壁塗装も劣化している可能性が高いため、そのまま放置する事はリスクを伴います。

ひびが他の部分に現れたり、外壁の剥がれが起こる可能性がありますので早めの修繕が必要です。

 

外壁のひび割れの修繕方法

外壁のひび割れの修繕方法には大きく分けて部分補修と全体補修があります。

 

部分補修

部分補修はひび割れの部分のみを補修する方法で、ヒビ割れにコーキング剤を埋めて補修します。

クラック部分をU字またはV字にカットし、その部分にコーキング剤を埋めて補修するのが一般的です。

 

外壁塗装

ヘアークラックのように塗膜だけにひびができている場合は外壁塗装で修繕します。
新しい塗膜で建物を保護できるだけでなく、色の変更も可能ですので、家全体の雰囲気を一新する事ができます。

外壁塗装は特に外壁にトラブルが起こっていなくても10年程度に1度の目安で行うようにしましょう。

 

全体補修

ひび割れが大きい場合や外壁全体が傷んでいる場合、窯業系サイディングの場合は外壁材の交換を行います。

外壁の張り替えにはカバー工法と呼ばれる今ある外壁の上に新しい外壁を重ね張りする方法と外壁を剥がして新しい外壁を施工する張り替えのどちらかとなります。

どちらも外壁の張り替えは大掛かりな工事で費用も高くなります。
外壁にひび割れが起きたらひびが大きくなる前に修繕をするようにしましょう。

 

ひび割れの補修は業者に依頼した方が安心

外壁のひび割れの種類や補修方法などについて解説しました。

ひび割れを見つけたら業者に補修を依頼するようにしましょう。
業者はひび割れの大きさ、状況、原因などを踏まえて適切な補修を行うため、DIYで効果の薄い修繕をするよりも確実です。
また、高所作業は危険を伴いますので、プロに依頼した方が安心です。

修繕の際には3社程度から相見積もりを取って選ぶと失敗が少なくなります。